設立趣旨

  2004年10月23日に発生した新潟県中越地震は、新潟県の各都市に大きな被害をもたらしました。

この災害の対応においては、全国の多くの自治体から人的・物的なご支援をいただきました。災害対応は、短期間に膨大な量の業務を処理する必要があり、かつ通常業務とは全く質の異なる内容の業務が発生するため、災害にあった自治体は多くの困難に直面します。このような膨大な量の業務を処理するには、全国から駆けつけてくださった応援職員の献身的な活動がなければ、とうてい乗り切ることは不可能でした。また、初めての業務であるために、本来リーダーとなるべき経験者が不足し、多くのとまどいと混乱をもたらしました。このような時に災害対応経験のある自治体からの応援職員がもつノウハウは大きな力となりました。小千谷市においても、神戸市をはじめとした災害対応経験のある自治体から適切なアドバイスを受け、よりよい対応を行うことが可能となりました。さらに、今回はじめて応援に参加された職員においても、さまざまな困難を克服しながら多くの経験と教訓を蓄積されたことと思います。

小千谷市では、今回の応援活動を行っていただいた皆様の貴重な教訓を記録し共有していくことは、今後、各地での災害対応をより円滑にするためにきわめて重要なことと考えます。それぞれに蓄積されている経験のいくつかは、すでにそれぞれの組織で共有されているかもしれません。しかし、多くはまだ各人の経験の中に閉じこめられているままです。これら教訓を蓄積・共有することなしに、災害が起こるたびに被災自治体が一から同じような苦労を繰り返すことは、わが国の防災にとって大変残念なことといわざるを得ません。次の災害で今回以上に効果的な対応を行うためには、これら経験者をネットワーク化し、災害対応現場で得た知恵や教訓を収集し、記録し、発信し、共有することはきわめて意義あることと考えます。

そこで小千谷市では、関係者のネットワーク組織として「中越大震災ネットワークおぢや」を設立し、今回の対応で蓄積された経験と教訓を関係者の間で共有するとともに、次の災害では経験者としてアドバイスをする、あるいはノウハウを提供する人的なつながりの拠点の一つとしたいと思います。みなさまのご賛同をいただき、当ネットワークへご参画いただきますよう、お願い申し上げます。
平成17年10月25日

中越大震災ネットワークおぢや 発起人

※横スクロールしてください
代表 長岡技術科学大学 理事・副学長 丸山久一
京都大学防災研究所 教授 林春男
富士常葉大学 教授 重川希志依
小千谷市魚沼市川口町医師会副会長 根元純一
小千谷市消防団長 大平和芳
小千谷市社会福祉協議会長 山本チサ子
小千谷青年会議所理事長 笹岡正栄
小千谷市長 関 広一